確信犯
奥平チーフは、個室で手厚く看護されている。
そう聞いていたから。
そっと覗くにはどうしたらイイか。
少し悩んだけど。
運よく個室の扉が開いていたから。
中を窺うコトができた。
眠っている奥平チーフには。
点滴が投与されていたけど。
姿が見れて、とにかく安堵する。
すると。
目を開けたばかりの奥平チーフと。
バッチリ、目が合ってしまった。
弱々しくても。
確かな笑顔を浮かべた、奥平チーフに促されて。
ベッド脇へと歩み寄ると。
台に置かれた紙を指されて。
“読んで”、というように頷かれた。