確信犯
奥平チーフの心を思ったら。
謝るのも違う気がして。
促されるまま、紙を開ける。
それは。
警察で事情聴取を受けているハズの、白澤有雅から届いたモノで。
手紙というより、メモだった。
《全てが終わったら
美也子の顔を見て謝らせて欲しい。
白澤有雅》
私と同様の身勝手な、
白澤有雅の要求。
それでも。
奥平チーフは。
白澤有雅を待つんだろうと思った。
メモのような紙には。
一部、歪んだような跡があって。
“初めて呼ばれた名前”
その部分の紙質が、恐らく。
奥平チーフから流れた“水分”で。
変形していたから。