確信犯
ふと。
私に手を伸ばす子供を見遣ると。
天真爛漫に笑っていて。
――“愛されていない”なんて
疑うコトさえ思い付かない瞳
私たちはこんな瞳で
親を見つめていたのかな
子供にカオを、近づけて。
匠の目尻が下がる。
「美森は…施設で、死んだって聞かされてた。生きててくれた、それだけで皆にとって奇跡だ」
事実は、もしかすると。
白澤有雅も私の生死を知らなくて。
間違って伝わった話かも知れない。
だから、もう。
これで終わらせないかと言われて。
この嘔吐感が消失する頃には。
そうできるようになればイイと。
疲労した頭とカラダで…
願った。