確信犯
❇~❇~❇
「――私は、“関係を知らないまま再会して”ないし、人任せで守られてばかりなのはイヤだよ」
「“恋に落ちてしまった”のは事実だろ?わかってても落ちた。違う?」
隠れ家で少しずつ。
匠と不満をぶつけあったり。
話し合いを持つようになって。
初めてまともに。
“兄妹”という関係に触れる。
匠は。
寄宿学校の頃の仲間と一緒に。
海外で、起業したらしい。
私が、美濃部さんこと渉さんのお家に隠れて、お世話になっていた間。
起業の準備を含めて、姿を見せなかったんだと知った。
「当分は行き来だ。気圧が変化する飛行機は、オマエが乗れないだろ」