確信犯
それは、つまり…。
「どういう状況がきても、活路を用意しておきたかった。日本が辛そうなら、一時は海外に移れるように」
難なく、匠は言うけど。
白澤印刷の、株価変動や買収騒ぎがあって。
インセスト・タブーのニュースが大きく取り上げられて。
その最中に。
海外でも生きられるように。
起業しておいた、と言われたら。
匠の先見と。
バイタリティに、圧倒される。
おまけに。
私の右耳の聴力低下にまで、
気を配ってくれて。
飛行機に乗れるようになるまでは、
日本にいられるように。
風当たりを和らげるタメの記事を、
世間に発信したんだとわかったら。
ナニも、言えなくなった。