確信犯
「私の…したコトが赦されるとか、受け容れられるとは思ってない」
だけど。
想うキモチを。
匠にだけは赦されたかった。
匠は、もう黙って私の髪を梳く。
長い指先の動きが、優しい。
「確かに美森の――八重の秘密を盗み聞いた時。膨らんでた想いや時が、止まったみたいだった」
…ホテルでの、コトだ。
「ああ、だからコイツは俺に近づいて、応えるフリをしてくれてたんだって。だけど…それだけだとは思いたくなかった」
…私は鼻っ柱の強い女を演じて、
…演じ切れなくて。
「ナニか規制が必要な関係だとしても、失格でイイから欲しかった。初めからずっと――ただ欲しかった」