確信犯



匠は、言ってくれた。


『ナニが起きても時間がかかっても。なんとかしてみせる。必ずだ』


だからきっと、悔しいんだ。






「…大丈夫。失うワケじゃないよ」


「それでも。俺はオマエの右側にずっといて、右側の音を聞いてやる」






お互いに。


責め合うコトはしないけど。


責任の取り合いにはなってしまう。






だから。


右耳の話は必要な時だけにしよう。






「あー…そうだ。そのコトとは別の、純粋な俺のキモチなんだけど」


「…最近、口調が丁寧だね?」


「元は育ちがイイからな」


「……」






思わず、黙ってしまうと。



「サイン、して」



という匠の言葉と共に。


紙を渡された。





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