確信犯
恥ずかしいのか。
たまりかねたような匠が
私を、手繰り寄せる。
胸を叩くほどの痛さで、
鼓動が鳴った。
血管が、イタくて
イタくて
血流がひとつに集まったみたいで、
動けなかった。
「なぁ……リスクは承知でもう1人、産んでくれないか?支え合える兄弟姉妹を…この子にもあげたい」
傍らの。
私たちの子供を示す言葉。
私は手繰り寄せられたままだから。
肩口に匠の唇と、
吐息が染み込んできて。
匠の熱を、受け取ってしまう。
「――兄弟が多いのは…素敵だね」
小さく、“願望”として呟いたら。
匠の腕に、力がこもった。