確信犯



ひとしきり、笑ってから。


養子縁組の手続き用紙に、


サインをした。






そうしたら。


後ろにまわった匠の手で。


首元にナニかが纏いつく。






見下ろせば。


プラチナの鎖に通された、ブリリアントカットのダイヤで。


ペアシェイプのネックレスだった。






「俺も一緒にしたくて。ハートじゃなくてごめんな?」






カオを上げると。


匠の胸元にも同じモノがあって。






「ハートが好きなんて、言ったコトないよ?」


「でも女のコは嫌いじゃないだろ?まぁ、コレは結婚の絆だから」






それは、指輪よりも


私たちに相応しい証






匠が、笑う。


その笑みは、今まで見た中で。


1番キレイで、温かかった。


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