確信犯
少しでも、歯車が狂わないような。
そんなお手伝いができたら。
「お世話になったあの施設のオラトリウム(聖堂)で…政宗のオルゴール曲を、皆に聴かせてあげたい」
5歳の私が。
讃美歌に救いを見出だせたように。
政宗の力も借りて。
鎮められるモノがあるとイイ。
「――そっか。わかった」
その時も、傍にいる――
匠は、そう囁いて。
抱きしめてくれた。
「でも今夜は、政宗なんか忘れるくらい……制圧、してやる」
艶やかな、声がして。
手術後からずっと、
労られていたカラダが持ち上がる。