確信犯



よくわかんない、けど。


いつもやさしいお母さんのこえが、かすれてくのは、くるしくて。


たまんない。





ボクは、はしっていって。


へんなオッサンをにらんだ。






「オジサン。あなたはもう、ボクのまえに、あらわれないでください」


「っ、――カンちゃん、」






ワタルが話しかけてきたけど、


とまんなくて。






「お母さんが、わらってない。だからもう、あらわれないでください」






お母さんのみぎがわに、たった。


そこは、おやぢのばしょだ。


だけどおやぢは、外国だから。






ボクが。


ちょっときこえにくい、お母さんのみぎミミを――まもるんだ。





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