確信犯
面白いくらい。
匠のプレゼンスキルは高くて。
好感触な、食事接待が終わった。
新幹線の最終時間は。
既に、過ぎていたけど。
この接待同行の為に。
研修日程が延びる、って意味か。
だって、もう帰れないもんね。
理由にオチが付いて。
少しホッ、とする。
接待相手を見送って。
お疲れ様でした、と。
連泊先のホテルを目指す。
「合格祝い、するぞ」
無愛想な声がして。
わし掴みされた、手首。
遠慮のない強引さは。
普段とも、今までとも違う感覚。
急に。
熱の集まった手首だけが。
脈打ってる、ような気がした。