確信犯
そんなコトを言ったら。
奥平チーフの方がもっと。
やりきれない、ハズで。
「…済みません」
言いたくても、言えない。
委託社員、奥平チーフの立場に。
何と謝ればいいのか。
「大丈夫よ。むしろ庇ってあげられなかった事、ごめんなさいね」
上司として。
部下をサポートしながら。
委託の本社と、白澤印刷。
両方の架け橋を。
しなければならない人は。
ジレンマを。
口にすることなく。
寂しそうに、微笑んでくれた。