確信犯
密度は濃厚で。
湿度も高くて。
それでも。
拒絶反応のように。
消えない鳥肌。
『――カタチの違う柔らかいイキモノを…初めて、手にすればするほど愛おしいと思った』
溢される匠の心に。
耳を、塞ぎたくて。
『でも同じくらい…近付けば近付くほど立ち込める寒さも、凍えるように感じる――』
見抜かれて。
肌が粟立って。
気をユルめちゃいけない相手に。
一番、気をユルめてどうするんだ。
匠は。
やっぱり、バカじゃない。