確信犯
「お前、俺より2コ下だろ」
長い指で、資料をめくって。
艶やかに微笑む匠。
…だったら、なんなんだ。
「年下差別ですか」
くだらない、けど。
まさか。
それで『お前』呼ばわり?
ふっ、と笑ってしまう。
「ナンだよ?」
「何でもありません」
「いーから、言え」
言い出したら、きかないヒトだ。
パソコンで入力作業をしながら。
軽く流そうと試みる。
「海外育ちの男性の方が、旧体制だというのは本当だな、と思って」
エンターキーを叩いて。
はい、このお話は終了。
ニュアンスで終わらせた。