確信犯
再び。
パソコンへ向かう。
匠の手の影が見えて。
私の手首が捕まった。
「…可哀想なヤツ」
匠のその一言は。
根幹に揺さぶりかけるだけでなく。
深く、私に突き刺さった。
思わず。
匠の手を、跳ねのける。
喘ぐような呼吸を。
押し殺したくて。
喉から言葉を引きずり出す。
「女なら誰でも良い、そういう適当な男のクセに。『忘れてよ』って言ったのは、都合が悪いからなのに」
低い、私の声は。
嫉妬に似た響きを含んでいて。
私自身を、ヒドく脅かした。