確信犯
「――私のことを『立ち込めるように寒い』と言いましたね」
質問には質問で。
『お前は、どうしたい?』
…匠は、どうしたいの?
「――得体の知れない私が、怖くないの?」
怖いなら。
ナゼ、近付くの?
「それこそ、お金を遣って調べればいい」
これは、賭けだ。
物憂げな様子で。
視線を落としていた匠が。
引き結んでいた唇を動かす。
「だったら教えてくれよ。腹の探りあいは、したくねーから」
怖いのだと。
匠の言葉は伝えてくる。
だったらナゼ。
私に関わろうとするの?