確信犯
いつも。
温度を感じさせない匠の瞳が。
思い詰めたように、揺れる。
「抜き差しならないほど――お前に惹かれるんだよ」
それは。
普通に聞けば。
可能性を秘めた、蜜な言葉。
試して。
試され合うことになら。
異論はないのに。
「私は、人を信じたことくらいあります。貴方こそ、自分さえも信じてないんでしょう?」
私のコトも信じてないでしょう?
そんなニュアンスを。
多分に含んだ言葉を放つ。
「黙れよ」
もうイイ。
そんな声と共に。
匠の身体が動く。