私と上司の秘密
身の回りの荷物を運べる分だけバッグに詰め、
課長の車に乗り込んだ。


相変わらず私の隣でハンドルを握って、鼻歌を歌って運転している課長は、終始笑顔を保っている。


「楽しそうですね。」

私が呟くと、

「もちろん、凛とずっと一緒にいれるしな。」

何の躊躇いもなく、さらっと語る。


聞いた私が逆に恥ずかしくなってしまう。


課長は前を向いたまま、私の背中から左側の
肩に自分の腕を滑り込まし、私を課長の方へ
引き寄せた。


思わず課長を見たが、運転中で正面を見て
いて、笑顔で器用に右手だけでハンドルを
動かしていた。


課長の体温を少しばかり感じ、ドキドキした気持ちと、嬉しさと期待とそれと同時に緊張感が増してきた。


これから二人で住む未来への不安感を感じられずには、いられないからかも知れないからだ。
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