私と上司の秘密
「あれ?凛、食べないの?」

心配そうに圭介は、私の顔を覗きこんで聞いてきた。


「ちょっと、疲れが溜まっているみたいで、
食欲がなくて…。」

私は、毎回のように、圭介に寝かせてもらえないので、出勤前の準備の時に鏡を見ると、目の下にクマができている残念な状況になっている。


「そっか。
じゃあ、今日は、俺が後片付けしてあげる
から、早く寝たら。」

そう、気遣ってくれる。


「…でも、圭介も疲れてるんだし。」

「大丈夫。」

そう言って、食べ終わったお皿をキッチンに
運んでくれた。


しかし、凛は気付いていない。


圭介が、不敵な笑みを浮かべたことを…。
< 235 / 299 >

この作品をシェア

pagetop