私と上司の秘密
「圭介、これを一人で買うの、恥ずかしくなかったですか?」

「何、言ってるんだ。
そんなこと、言ってないで、早く行ってこいよ。」

急かされ、キッドを持ってトイレに直行した。


説明書通りの手順で、ことを行う。

違うことを祈りながら、判定結果が出るまで
そのまま待った。


少しの時間が長く感じられる。


「・・・、あーあっ。」

言葉にならない言葉で、判定結果に奇声気味に
叫んだ。


トイレの個室のドアの向こうで、

「だ、大丈夫か?
凛。」

と、圭介がドアをノックしながら聞いてきた。


私はドアを開けながら、

「…そ、それが、」

詰まりながら話す。


私からキッドを取り上げ、圭介は見ていた。
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