私と上司の秘密
「もし、出来てたら…。」

不安気に圭介の顔を見ず、下を向きながら呟くと、

「嬉しいよ。」

予想外の言葉に圭介の顔を見た。


困った顔をしている様子もなく、笑顔だったことに、尋ねた私が逆に困惑する。


「嬉しいんですか。
そんなに…。」

「嬉しいに決まっているじゃないか。
凛との子供だし。
凛は、俺との子供が、いやなのか?」

「いやとか、そういうのではなく、頭が追い付いていけないんです。」

理解が出来ない。


現状に付いていけないのが、正直、本音だ。


「今から、食べれるか?」

「…、食べたくないです。」

「じゃあ、ヨーグルト買ってきたから、
それだけでも、食べたらどうだ。」

「はい。」

朝から何も食べていないから、無理にでも食べた方がいいと思い返事をした。


圭介は、冷蔵庫から出してきてくれた。


「ありがとう。」

気持ちが悪いなりにも、無理に食べた。


食べてすぐに、また、気分が悪くなり、
そのままベッドへ寝た。


圭介は、ずっと私を抱き締めてくれたまま一緒に、寝てくれた。


気分が悪いのと、不安な気持ちが入り雑じり、結局、朝まで寝付けることはなかった。
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