私と上司の秘密
「今から、芹澤から話があるそうだ。」

と圭介が部長から声をかけられ、注目している皆の前に立った。


「宮下、ちょっと来い!」

圭介が前後に手を振り、私を自分の方に手招きをする。


圭介の支持で、私は、隣に立った。


すると、圭介が口を開いた。


「私事ですが、今度、宮下 凛と結婚することになりました。」

と、皆の前で堂々と宣言した。


同時に圭介は私の肩に自分の腕を回し、自分の方へ引き寄せた。


「・・・えーっ!!!
マジっすか。」

清水君が真っ先に大声で叫んだ。


注目していた社員の目がぎょっとしたように見えた。


『清水君の顔が一瞬暗くなったのは、気のせいだろうか?』

同時に圭介の顔をみると、会社では見せたことがない、不敵な笑みを一瞬浮かべた気がした。


『ほんの一瞬の出来事だったので、私の勘違いかも知れない。』


周りの人達は突然の報告にびっくりしたみたいだが、口々に


「おめでとう、お幸せに。」

と声をかけてくれた。


少し照れ臭い…。
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