私と上司の秘密
圭介の話した通り、残業ばかりで遅い帰宅が続いていた。


相変わらず、瑠璃は圭介の帰りを待っていたが、帰ってくる前に待ちくたびれて、眠ってしまう毎日が続いていた。


「今日は、瑠璃の誕生日だけど、パパ、ちゃんと帰って来てくれるのかな？」

と不安そうに私に話す。


毎年、瑠璃の誕生日とそして、私達の結婚記念日には、どんなに忙しくても、必ず仕事を早めに切り上げて帰って来てくれていた。


瑠璃もそれを期待していた。


「パパわね。
瑠璃やママや皆の為に、一生懸命、頑張って働いているから、もしかしたら、帰りが遅いかも知れないわね。」

そう私は話すと、瑠璃は黙りこむ。


その直後、瑠璃の顔はみるみる曇っていき、大きな瞳に涙を溜める。


「パパ、嘘つき！
瑠璃の誕生日にいっつもちゃんと帰って来てくれたよ。」

涙を流しながら、叫びだす。

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