私と上司の秘密
2 欲望
社内では、ホテルに行く前と、全く変わりなく芹澤課長は、厳しい。


『些細なミスをする私も私なのだけど…。』

相変わらず、今までと何ら変わらりなく、課長に注意されっぱなしの日々を過ごしていた。


ホテルで見たあの甘くて欲望に満ちた雰囲気の課長は、社内では、見る影もない。


『私と過ごしたあの男性は、もしかしたら、別人だったのだろうか…。』

そう思ってみたりもするが、そんな訳はないだろう…。


あの時は酔っていたとはいえ、意識を無くすまでは飲んではいなかった。


私といえば、課長の顔、姿を見る度に、ホテルでの出来事が瞬時によみがえり、思い出すだけで、羞恥心に苛まれてしまい、課長とはなるべく、目を合わさないようにしていた。


課長は、私の心情とは違い、何事もなかった
ように、涼しい顔をして以前と変わりなく、私に接してくる。

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