私と上司の秘密
二人で店に入る。


課長が、店員さんに自分の名前を告げ、奥へと
通される。


「予約してあったんですか?」

と尋ねると、

「まあな。」

と答えた。


案内された席は個室で、畳の堀ごたつ風な
部屋になっていた。


向かい合って座ってみたが、もちろん、正面には課長がいて、緊張して、ドキドキして、
個室にも関わらず、全くもって落ち着かない。


おまけに、何を話したらいいか、会話も
全然みつからない。


すると、課長が、話し出す。


「俺が、決めてもいいか?」

メニューを指差した。


「飲み物だけ、先、決めて」


メニューを少し眺め、迷った末に


「カシスオレンジにします。」

「じゃあ、注文するよ。」

と言って、課長は、ビールを注文していた。
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