私と上司の秘密
扉が開いたと同時に、繋いだ手を引っ張られる
ように、部屋の中に入れられた。


すぐに私の背中で、『パタンッ』と扉の閉まる音がした。


課長はすぐに革靴を脱ぎ、部屋の明かりを
つけた。


「凛もあがって。」

と言われたので、私もヒールの靴を脱いで

「お邪魔します。」

とあがると、

「ップ!」

「…、何がおかしいんですか?」

なぜ、笑っているのか訳が分からず、課長に、
聞いてみた。


「俺、独り暮らしだから、誰もいないし…。」

課長は、ケラケラ笑いながら、答えた。


「そんなの知りません。」

少し、すねぎみに私は答えながらも、誰も
いないことに、少し安心した。
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