私と上司の秘密
課長の髪をかきあげた仕草が、無性に
いとおしく思えた。


無意識に課長の手を握り、思わず、手の甲の
浮き出た血管の筋に沿って、指でなぞって
みた。


課長は、体を一瞬、『ピクッ』と震わせた
ように見えた。


そんな課長にお構いなく、課長の指を甘噛み
してみた。


「凛、お前、俺の手、跡が残ってるぞ!」


課長は怒っている様子はなく、笑顔で私の
甘噛みした場所を反対側の手で擦っていた。


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