逆らっても無駄
そんな顔してもらっちゃ困りますと。

畠山君は私に囁いた。

「言い出したのは安西先輩からでしょ?」

彼の唇が、私の耳元で言葉を紡ぐ。

「調教して下さい…躾けて下さいって…」

私の背筋を、ゾクリとしたものが走る。

…こう言うと戦慄とか、悪寒とか、そういうものに聞こえるかもしれない。

だけど違う。

首輪をつけられて、鎖で繋がれて、狭い部屋に閉じ込められて。

それでも私の体を駆け抜けたのは歓喜。

彼は友人でも恋人でもない。

私の主。

そして彼はよく知っているのだ。

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