夏恋[続]
「「お世話になりました」」
父、母と挨拶を済ませ、車へと乗り込む。
意外にも、篤希が見送りに来てくれていた。
「篤希、来てくれたんだ」
「まあな」
「ふふっ。ありがとう…本当に楽しかったよ」
車の窓越しに礼を言うと、照れくさそうに手で口を覆った。
また篤希の事が知れた。
照れ隠しの時の癖。
「あ、そうだ…私実は携帯持ってるの。今は持って来ていないけど。番号とアドレス書いたから」
手を伸ばすと、篤希はそれを受け取ってくれた。