襲撃プロポーズ【短編集】
何となく"美男子"という言葉に抵抗がある久保姫。
その言葉には一体どんな意味が含まれているのかと、三日三晩寝る間も惜しんで考え続けていた。
これは彼女の勝手な想像なのだが、久保姫の頭の中には
【美男=色白で細身、優しさに溢れていても男気に欠ける】
という印象しかない。何とも失礼な話ではあるが。
それでも何度考えてもその方程式を覆すことは出来なかった。
決してそれが嫌だというわけではない。
駄目なわけではない。
優しさは魅力であるし、見た目がいいに超したことはないだろう。
そもそも重隆が久保姫と釣り合うと選んだ男なのだ(勿論他にも理由はあるが)。
その美しさは本物に違いない。