ルーム★シェア〜大嫌いなアイツと同居中〜
*第1章*
始まりは突然に
「わぁ、やったぁ!当たったー!」
あたし、柏木 結菜(かしわぎ ゆな)。
15歳の、中学3年生。
中学校の卒業式を、あと1週間後に控えた3月上旬のある日の放課後。
あたしは今、学校帰りに近所の駄菓子屋に来ています。
そして今あたしは、いつも以上にテンションが高い。なぜなら……
「ねぇ、おばちゃん見て!当たりが出たよ!ほら」
そう言ってあたしは、レジのところにいる駄菓子屋のおばちゃんに、“あたり”と書かれたアイスの棒を見せる。
「おぉ、ほんとだね。はい、もう1本」
「やった!ありがと、おばちゃん」
あたしはおばちゃんから、新たにアイスの入った袋を受け取る。
そう。あたしは今日、当たりが出たらもう1本もらえるという当たり付きのアイスで、人生で初めて“あたり”が出たのだ。
初めてだったから、超嬉しい。なんだか得した気分だなぁ。
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