ルーム★シェア〜大嫌いなアイツと同居中〜
あたしが、自分の中での大和に対する心の変化に戸惑っている間に、体育の授業は終わって昼休み。
昼食を食べ終わって、あたしが借りていた本を図書室へ返しに行こうと、本を片手に廊下を歩いていると……
「なぁ、日高。こんな所に呼び出して、何だよ?話って」
その途中で、少しイラついたような、聞き慣れた声が聞こえた。
声がしたほうに目をやると、人気のないシン……とした薄暗い廊下の片隅で、大和と日高くんが2人で向かい合って立っているのが見えた。
あれ……。大和と日高くんが2人きりでいるなんて、珍しいな。
そう思いながらも、あたしはそのまますぐにその場を通り過ぎようとしたのだけれど……
「単刀直入に聞くけど……鮎川ってさ、柏木のことどう思ってんの?
柏木と席が隣になってから鮎川、柏木に時々ちょっかいかけたりしてるのを見かけるけど……それってやっぱ、柏木のことが好きだからか?」
…………!!
日高くんの言葉を聞いて、あたしはその場から動けなくなってしまった。