ルーム★シェア〜大嫌いなアイツと同居中〜
「俺、柏木に大事な話があるんだけど……今、いい?」
「あっ、うん。あたしは大丈夫だけど」
あたしの返事を聞くと、廊下にいた日高くんが教室へと入ってくる。
日高くん、大事な話って何なんだろう?
教室には、あたしと日高くんの2人きりで、日高くんはやや緊張した面持ちであたしの前に立っている。
今、自分の目の前には、ずっと気になっていたはずの日高くんがいるというのに、あたし……全然ドキドキしていない。
これまでは、日高くんに話しかけるだけでも、あんなに緊張してたのに、何とも思わないなんて……。
自分でも、すごく不思議な感じだ。
大和が好きだと分かった途端、こんなにも変わるものなんだな。
まぁ、失恋しちゃったけど。