ルーム★シェア〜大嫌いなアイツと同居中〜
結菜の『日高くんのことが気になってた』の言葉を聞くと、俺は早足で下駄箱へと向かって歩き出した。
だって、そこから先の2人が仲良くするとこなんか、見たくねぇし。
「はぁ……終わったな。俺の初恋も」
廊下を歩く途中、ふとため息がこぼれる。
……俺は、5歳の頃からずっと、可愛い結菜のことが好きだった。
幼い俺は、結菜に自分のことを見て欲しくて、わざと結菜の嫌がることばかりしていた。
そのせいで、俺は結菜に嫌われていたけど。
それから、親の仕事の都合で引っ越して行ったあとも、俺は結菜のことが忘れられなかった。
だから俺は、結菜に会いたくて1人でこっちに戻ってきた。