ルーム★シェア〜大嫌いなアイツと同居中〜


あたしはハンガーにかけてあった、まだ真新しい高校の制服を手に取る。


紺色のブレザーに、薄いブルーのブラウス、チェック柄のスカートに、スカートと同じチェック柄のリボン。


「やっぱり、可愛いなぁ」

桐島学園の女子の制服は、県内の高校の中でも可愛いと評判。

実はあたしも、第一はこの制服を着たいがために、桐島学園を受験したんだよね。


ずっと着たいと憧れていたこの制服を、これから3年間学校のある日は毎日着られるなんて。もう嬉しすぎる!


って!おーっと、いけない。しみじみと制服を眺めている場合じゃなかったんだった。


部屋の時計を見ると、8時10分。家から高校までは、歩いて約15分だから……今から走っていけば、ギリギリ間に合う。


「いってきまーす!」


あたしは急いで制服に着替えると、朝ご飯も食べずに、鞄を持って鍵をかけて家を出た。



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