ルーム★シェア〜大嫌いなアイツと同居中〜
──トゥルルルル……トゥルルルル……
『はい、もしもし?』
何回目かの呼び出し音のあと、ようやくお母さんが電話に出た。
「あ!もしもし、お母さん?今、電話しても大丈夫?」
『あー、結菜。ええ、大丈夫よ。確か今日、高校の入学式だったわよね?どうだった?』
「あー、うん。入学式はなんとか無事に終わったよ。クラスも、真凛ちゃんや他の友達とも一緒だったし」
遅刻しかけたなんて、お母さんには口が裂けても絶対に言えないけど……。
「それよりお母さん!入学式が終わって家に帰ってきたら、同じ高校の男子がいたんだけど……一体どういうこと!?」
『あー、ごめ〜ん!結菜に言わなきゃいけないと思いながら、話すのすっかり忘れてたわね』
やっぱりお母さん、このこと知ってたんだ。お母さん、時々こんなふうにうっかりしたところがあるからなぁ……。
あたしは心の中で、ため息をつく。