ルーム★シェア〜大嫌いなアイツと同居中〜
*第2章*
同居スタート
入学式の翌朝。
──トントントントントン……
あたしの部屋のすぐ隣のキッチンのほうから、包丁で何かを切る音が聞こえてくる。その音で、あたしは目が覚めた。
あれ……?キッチンから、いつもお母さんが作ってくれるみそ汁と同じ匂いがする。
もしかして、お母さん……?
起きたばかりで、まだ完全に目が覚めておらず、頭がボーッとしていたあたしは、てっきりキッチンでお母さんが料理しているのだと思い……
「ねぇ、お母さん。今日の朝ご飯何ー?
もし目玉焼きならあたし、黄身は半熟がいいなぁ」
寝ぼけたままキッチンへと移動したあたしは、気がつけばキッチンにいた人に向かって、そんなことを口走っていた。
すると、あたしに背を向けて料理していた人が「あ゙ぁ?」と、不機嫌そうな顔でこちらを振り返り……
その人を見て、あたしは一気に目が覚めた。