BEAST POLICEⅡ
階段を下り、下の階。

しばらく歩くと。

「…ここだわ」

目の前の部屋の奥から、電話の音が聞こえた。

出るべきだろうか。

どこかに逃げ遅れた人がいて、助けを求めているのかもしれない。

逆に美奈が、救助を頼む事が出来るかもしれない。

少し思案した末、美奈はその部屋のドアを開けた。

鍵はかかっていない。

部屋の中にはすんなり入れた。

ドアを開けると、電話の音がよりはっきり聞こえる。

やはりこの部屋で間違いなさそうだ。

暗いままの部屋に上がり、電話を探す。

部屋の入り口、棚の上に電話はあった。

スマホではなく、固定電話。

その受話器を取る。

「も…もしもし…」

恐る恐る声を出すと。

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