BEAST POLICEⅡ
「っっっっっっっ!」

美奈は受話器を叩き付けるように置いた。

何て事だ。

この回線が混乱した状況で、ようやく運よく繋がった電話が、狂った中毒者の悪戯電話だなんて。

額に手を当て、呼吸を整える。

頭がおかしくなりそうだ。

こんな気持ちの悪い思いを、何度しなければならないのか。

憤りに感情的になりそうだったが、怒りに任せていては冷静な判断が出来ない。

気を取り直す。

どうせ部屋に入ったついでなら、何か役に立ちそうなものを探して拝借していこう。

(灯り…スイッチは何処かしら…)

まだ電気は止められていない筈。

灯りをつけるべく、美奈は薄闇の中、部屋の壁に手を伝わせて。

< 118 / 305 >

この作品をシェア

pagetop