BEAST POLICEⅡ
少年の言うまま、美奈は彼の部屋へと入る。

部屋が真っ暗なのは、中毒者達にここにいる事を悟らせない為だ。

「お腹空いてる?菓子パンとかならあるよ」

少年が、冷蔵庫の中を見ながら言う。

「それじゃあ…何か飲み物だけ貰えると有り難いわ」

美奈が答える。

ここまで走り続けて、もう喉がカラカラだった。

少年が差し出したペットボトルのミネラルウォーターを礼と共に受け取り、喉を潤す。

「せめて夜が明けるまでは、ここにいた方がいいと思う。暗い中、逃げ回るのは危ないから」

「そうね」

まだ未成年だが、的確な判断力。

頼りになる少年のようだった。

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