BEAST POLICEⅡ
このバスソルトは、使用すると奇声を上げたり、暴れたり、動きがまるでゾンビのように人間ではない怪物の如くなる。

バスソルトによる幻覚で、自分の顔や腹部をナイフで突いたり、顔面を食うといった猟奇的な事件などもあった。

「俺ぱマイアミ警察の勤務時代に『マイアミゾンビ事件』などバスソルト関連の事件に二件遭遇している」

クリスが言う。

その他にも、バスソルトが絡んでいると思われる事件は幾つかある。

テキサス州ウェイコで、通報を受けて到着した警察は、その光景を見て『狂っている』という感想を抱いた。

そこには血だらけの男がいて、毛皮のようなものが体の上にあった。

男はマイケル・ダニエル。

同居人によると、合成麻薬『K-2』の影響で暴れ出したという。

最初に彼は、家にいた別の男性を暴行。

隣人が止めに入ると、犬のように吠え、唸り始めた。

そして隣人を追いかけて走ったが、すぐに家に戻り、同居人の愛犬であるスパニエル・ミックスを叩き、首を絞めた。

まるでゾンビと化した彼はその後、肉を噛み切り、食べたという。

警察が到着した時、ダニエルは玄関に座っていて、その膝の上に毛皮のような犬の死骸があった。

アメリカでは合成麻薬によるゾンビ・ライク事件が多発している。

単なるマリファナでは起きないような症状が、合成麻薬によって次々と起こっているのは確かだ。

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