BEAST POLICEⅡ
その時だった。

「!」

突然の、葉擦れの音。

異常なまでにガサガサと音を立てる木々に、倉本達は警戒する。

その音と共に。

「!?」

山の斜面を滑り降りながら、或いは這い上がりながら、複数の中毒者達が姿を現す。

それぞれ、手に鉄パイプや手斧、鉈や鎌を握り締めている。

充血した眼が、夜の山中でも浮かび上がって見えた。

彼らは倉本達の車を見るや、有無を言わさず手にした凶器を振り下ろす!

フロントガラスに叩き付けられる鉄パイプ!

フェアレディZ280のフロントガラスには、一気に蜘蛛の巣のような罅割れが広がった。

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