BEAST POLICEⅡ
手斧や鉈といった頑丈な刃物で打ち付けられ、既に車はボロボロだった。

車内に閉じこもっていた所で、無残な結末を迎えていただけかもしれない。

脱出を選択した倉本の判断は正しかった。

しかし。

「何処に逃げるのっ?」

倉本に手を引かれながら、美奈が言う。

彼らは山の斜面を滑るように駆け下りている。

クリスや進藤、巽とははぐれてしまい、現在二人だけだ。

「とにかく」

走りながら倉本は言う。

「自分から離れるな。絶対にそばにいろ」

< 175 / 305 >

この作品をシェア

pagetop