BEAST POLICEⅡ
中毒者達が追ってきていないのを確認して、倉本と美奈は一旦木の陰に隠れて息を整える。

「すまない」

謝ったのは倉本だった。

「君を安全な場所に避難させるつもりだったのに、こんな事になってしまった」

「…いいわよ、倉本さんがいなかったら、私なんてとうの昔に殺されてたかもしれないんだから」

文句を言う筋じゃないと。

美奈は微笑みさえ浮かべて見せた。

とはいえ、問題はここからだ。

はぐれた巽やクリス、進藤と合流しつつ、この中毒者の徘徊する犬吠峠を抜けなければならない。

「とりあえず山を下って行こう…巽達も同じルートを目指している筈だ」

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