BEAST POLICEⅡ
ようやく長かった混乱と狂乱の夜が明け、倉本達のいる部屋にも朝日が差し込んでくる。

「ん…」

毛布に包まったまま、環がゆっくりと瞳を開いた。

「気が付いたわ」

看病をしていた美奈の言葉で、巽が駆け寄ってくる。

「環、大丈夫か!」

「……巽さん…」

まだ意識が朦朧としているのか。

環は夢現で巽の顔を見る。

「大丈夫?気分が悪かったりしない?」

美奈の問いかけに、頷く環。

全快という訳ではないが、危険な状態からは脱したようだった。

「ここは安全だから…貴女はゆっくり休みなさい。私は医者だから…何かあっても必ず助けてあげるから…ね?」

「……」

美奈の言葉にもう一度頷き、環はゆっくりと目を閉じた。

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