BEAST POLICEⅡ
「それにしても」

環の体に毛布を掛け直しながら、美奈は巽の顔を見る。

「この子…アイドルの向井 環ちゃんよね」

「ああ」

この後の質問に察しがついたのだろう。

巽は何となく目を逸らす。

「どういう経緯でアイドルなんかと付き合うようになった訳?貴方も隅に置けないわね」

悪戯っぽく言う美奈の質問は、巽の予想通りのものだった。

「どうだっていいだろ、こんな時に」

「あら、照れなくていいじゃない。刑事さんとトップアイドルのロマンスなんて、ドラマみたいな話だわ」

「今はそんな事話す気分じゃない」

「じゃあ事件が解決した後にでも聞かせてもらおうかしら」

「…意外と性格悪いな、アンタ」

巽は顔を顰めた。

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