BEAST POLICEⅡ
「ま…」

ギシリと、椅子の背凭れに体を預ける美奈。

「私はただの町医者だから…そんな大きな規模の話を聞いた所で、何か手助けできる訳じゃないしね」

「…すまん」

軽く頭を下げる倉本。

「な…何で謝るの?」

「無関係の君に、愚痴を零してしまった」

「…愚痴ですらないじゃない…」

どこまでも不器用で、どこまでも真面目で、どこまでも愚直な男だ。

彼女は心の中で、倉本をそう評する。

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