BEAST POLICEⅡ
「患者さん達を座らせて。その重傷の人はそこの診察台」

言いながら、女性は椅子の背凭れに掛けてあった白衣を身に纏う。

「アンタ、医者か」

クリスが驚く。

その出で立ちは、とても医者には見えなかったが。

「何?風俗嬢か何かだと思った?」

軽口を叩きつつ、胸に聴診器を当てて患者の呼吸音を確かめる女性。

「この人は呼吸音は正常ね…肺や呼吸器に損傷は無し…殴打による胸部打撲や骨折ね…そっちの人は?」

別の患者の右肩を思い切り摑む女性。

患者が悲鳴を上げる。

「この痛がり方…この人、肩を脱臼してるわ。そこの貴方」

女性は倉本を見た。

「警察官?だったら柔道の有段者だったりする?」

「ああ」

「なら脱臼の治し方とかわかる?この人任せていいかしら?」

「わかった」

倉本は患者の脱臼の処置を任された。

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