BEAST POLICEⅡ
十数人のホームレス達を診て、駅前を後にする頃には、すっかり日が暮れていた。

また頼む、と手を振るホームレス達と別れ、歩いて行く美奈。

ネオンが灯り、夜になっても不夜城の如く照らされる歌舞伎町。

女の一人歩きも、心配はないように思える。

だが。

「……」

診療所に帰る為、大通りから一本逸れる。

それだけで歌舞伎町特有のネオンは届かなくなる。

細い路地にあるのは、息を飲むような暗がり…。

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